Neetel Inside 文芸新都
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【18禁】最後のペニス(最終回)
超大陸ペニス

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 古生代(約2億5000万年前)、パンゲアと呼ばれる超大陸があった。それまであった大陸がぶつかり合いくっついたもので、2億年前ぐらいから再び分裂を始めて現在の形に分かれていくことになる。あまり知られていないことだが、この時代に既に人類は誕生していた。今の人類と直接に繋がらないのは、後に彼らが絶滅したからである。

 パンゲアという超大陸があったように、当時は超ちんちんがあった。当時の人類は個別にちんちんは持っておらず、超ちんちん、超まんまんというべき巨大な性器が結合し、子孫を吐き出していた。超性器以外の個体は個別に生殖能力は持っていなかった。つまり男でも女でもなく、彼らは超ちんちんと超まんまんを守るためだけに生きた。

 何しろ大昔のことであり、研究も一部しか進んではいない。性器を極大進化させた種が突然変異によりそのような生殖形態、種の存続形態を編み出したという説がある一方、宇宙からの飛来したちんちん族と、地球固有の種であったまんまん族が平和的に共存した、という説もある。

 この種の弱点は誰が見ても分かるように、超ちんちんと超まんまんの死である。生物である以上寿命はあるのだから、いかに自分を守る個体を大量に作ろうとも、死を免れるわけではない。死期が近づいた超ちんちんと超まんまんは、生殖機能を持つ変異種を生み、彼らを性器そのものに育てあげる。彼らの食糧を他の生物の性器だけに限定するのである。超ちんちんと超まんまんは性器以外は退化し、栄養補給と排泄・出産のための二つの穴があるばかりである。始めからこのような形状の生物だったわけではなく、性器だけを摂取し続けた結果そうなる。次代の超ちんちんと超まんまん候補の個体は、最初は人型であるが、性器のみを摂取し続けた結果、自身も性器となるのだ。

 このような特殊な生態系は、超大陸パンゲアが存在した時期の一部の地域でしか存続できなかった。現存する僅かな化石から再現された無性別人類の顔はのっぺりとして宇宙人のようだという。再現された超ちんちんと超まんまんの巨大モニュメントは、作成者自身の手により発表前に破壊されてしまった。一部の学者は頑なに超性器・無性別人類の存在を否定している。しかし超大陸があったのなら、超ちんちんがあってもおかしくはないだろう、というのが、現在の古生物学界の常識となっている。

 なってない。

※パンゲア時代に繁栄した人類について書かれた小説に、花村萬月「帝国」がある。

       

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